此の木何の木気になる木
ぐるっと一巡しナデシコが丘の横手の民家の庭先にわたしの背丈にも満たない灌木の一つが異様な臭いを放ってわたしを誘き寄せる。
今や花の時季を終えて散り果ててしまったのだがせめてお名前だけでもお伺いいたそうと色々図鑑など開いて調べるがついぞ根負けしたようだ。
異様な臭いとしか表現できない。
くちなしの花とか金木犀のような気品あふれる高貴な香りとはまた違う、かと言って堪えがたき悪臭では決してない。
言葉では一種一様には表現し難き異様な臭いとしか言いようがない。
解らぬままに決して不問に付したくはないしその気はない。
その内必ずや名前を解き明かしましょうことよ。
わたしの頭の体操は此の程度のレベルなのであります。
ふと朋友の正明兄のお顔が浮かんだ。
そう云えば暫しご無沙汰中だ、顔を出さねばならぬ。