老いのひとこと

本来なら爽快感を戴く筈の額四峠越えが重苦しい憂鬱感に遂には二の足を踏むようになってしまった。

数日前から気付いては居たのだが落石防護柵の手前辺りの植え込みの茂みにビニール袋に密封された犬の死骸らしき物体が放置される。

懸命にペタルヲ踏みつづける最中横目で一瞥するだけだが日毎に袋が充満し始め蠅が群がる、異臭が鼻を突く。

公衆衛生上好からぬこととは感じつつも通報を怠ったのだが居た堪れず市役所へ電話するが生憎の休日で通じない。

SMSも受付ては呉れない、仕方なく役所へのメールが再三の試みで漸く通じた模様だ。

週明けには撤去作業が執り行われる運びのはずだ。

愛玩犬が手厚く懇ろに葬られる事例が多々ある反面飼い主が愛犬を路上に放置せざるを得ない何らかの事情があるにせよ犬にも劣る非情なる人間に憤りと同時に哀れみを覚える。

こんな被写体にカメラを向ける勇気や好奇心はわたしには毛頭無い。

 

 

 

 

老いのひとこと

此の娑婆には小面憎い奴は山ほどいるが同じ人間同士なら無視するなり蔑視するなりして何んとかケリがつくだろうが事此の物言わぬヤブカラシことビンボウカズラにはほどほど手を焼く、此れほどの厄介者は居ない。

 

夏雨をこれ幸いともう所かまわず図々しくも顔を出す。

初めての試みで地下茎の深さを調べようと三角鍬を振り下ろせば意外と浅い。

地表すれすれのところに居るはいるは思い外図太くまるでゴボウそっくりで長さ1メート以上の大物も捕獲する。

性質は然程強靭ではなく手で引っこ抜くことも適う。

恐るべき怪物に魂消るばかり瞬く間に退治はしたが此れとて氷山の一角に過ぎなかろう。

縦横無尽に張り巡らされた地下に潜伏せし魔物を根絶するは最早不可能に近い。

単なる気休めに過ぎなかろうがこんな日が続くのかと思えばほどほど気が滅入る。

 

 

 

老いのひとこと

羊の仮面をかぶる狼の正体の実像が露わに表に出て来たぞ。

表向きはハト派を装い蔭ではタカ派の爪を磨きつづけた。

国政選挙の圧勝を機に遂に仮面を捨て正体を明かし始めたぞ。

故人の人物像を何ら詮索もせず浮き彫りにすることもなく突如「国葬」を閣議決定いたす。

確たる法的根拠を示すことなく迫り来る臨時国会をも頭から蔑ろにしたまま開き直る。

其の場での追悼演説も従来からの慣行例を一方的に破棄し遺族の意向にかこつけて途轍もない人物を推挙した。

国民がみな等しく喪に服す意味合いから故人の政敵として在りし人物が最も相応しいとの先人たちの素晴らしき智慧をも岸田総理は等閑に付しかなぐり捨てた。

間違いなく羊の仮面の脱ぎ棄て本来の正体が白日の下にさらされた。

此の人物には民主主義を語る資格は最早何処にない。

専制主義国家の祭主によく似ているではないか。

皆の衆、かまされるなよかまされたらダメだぞ。

目覚めて欲しい、目覚めなければ日本の国の民主主義が危うくは御座んせんかな・・・

 

 

一部民衆が目覚め始めたことを察知したらしく追悼演説は先送りし検討し直すとの報あり。

 

 

 

 

老いのひとこと

大下容子ワイドスクランブルのお蔭で和田直樹の「80歳の壁」に在り付けた。

一気読みした、面白かった。

医師が同じ同業者を完膚なきまでも扱き下ろし貶し見下した。

痛快無比なる捕物帖を読むように面白かった。

医師たるものは患者を診ずして只検査の数値だけを見ているのだと暴露する。

数値を正常値に致さんと患者を薬漬けにして平気な顔をしていると歯に衣着せぬ物言いだ。

血圧・血糖値・コレステロール値を薬で制禦するなんて若者なら兎も角高齢者に強いるとは愚の骨頂だと豪語する。

 

ただ和田医師の定説で腑に落ちないことが一つあった。

先生は「我慢はしてはいけない」、「我慢は老いやボケを速める」だけでダメですぞと力説する。

勝手気ままに好きなように、まあ適当にやればよいのだとおっしゃる。

 

また一方でやってみようと思う事、やれると思われる事には躊躇なく挑戦すればよいと云われるので額四峠を目指してペタルを漕ぎ出す。

幾つかに難所に出くわし息も絶え絶え死ぬる思いで歯を喰いしばる。

まさに我慢に立ち向い我慢を体得し其処から満足感を頂戴している行為は死を早めるだけの馬鹿げた愚行なのか其の辺を是非とも知りたいものだ。

 

 

 

老いのひとこと

農作業雑記

其の一

 

簡易農薬散布機こそ一応は所持していたが殆ど使用の機会なく物置の吊るされるままであったのだが昨年あたりから其の使用頻度が増したようだ。

ひと頃迄はわたしの周囲は未使用地で囲まれていたのだが最近には近隣の方々が挙って入植され仲間も随分多勢になった。

依って畑地が密集するがゆえに病虫害が飛び火して罹患するのだろう。

先日は茄子の葉ダニの蔓延にオルトランを散布したばかりなのに此度は胡瓜のうどん粉病に冒され農薬バイレトン水和剤5を散布せざるを得なかった。

未だ仲間で共同使用する協力体制はないので個々別々に自助努力に頼るしかない。

殺伐とした気分になるが此れが現状なので仕方がない。

農薬は実弟から譲り受けたお蔭で大いに助かり申した次第だ。

 

其の二

カボチャの一株に目出度く身ごもった気配が見受けられる。

三つ子のようだ、遣れやれ此れにて一安心。

手厚くススキの敷布団を施して成長を見守りたい。

 

 

 

老いのひとこと

和田直樹さんの80歳の壁を読んでみたくなった。

野々市の宇都宮書店まで足を延ばせばよいものを足を運ぶのが面倒臭いので通販に決めた。

ヤフオクで遊んでいたらドンドン価格が更新され何の事は店頭価格を上回る事態でビックリ仰天しりぞいた。

アマゾンを開けば送料込みで店頭価格と同額の990円と聞いて即決契約した。

便利と言えば便利すぎる住処に居たまま労せずして購入が適うことでは小売り店頭販売は堪ったものではない。

アマゾン書店は送料を手前持ちにしても猶幾ばくかの利益が上がるのだろう。

果たして幻冬舎からの卸値は如何ほどなるものか知る由もないがどのような絡繰りが在るものか知りたくもある。

 

 

老いのひとこと

農作業雑記

其の一

そもそもカボチャの連作障害はない筈なのに今年は全くの不作に泣く。

結実はするが育たずに萎みゆき消え去る。

どうしたことか此の時季に昆虫が消え失せた。

蜂はおろか蚊すらいない恐らくは殺虫剤か農薬の所為ではなかろうか。

 

或いは根本的に人工授粉の仕方に問題があったのだろうか。

半分諦めることにした方がよさそうだ。

生るようにしかならないと云うではないか。。

其の二

 

蒔きもしないゴーヤの種が発芽した。

考えられる可能性は只一つ昨年爛熟した実から種を採取した折に零れ落ちた分が地中に埋もれ一冬越してから偶々運よく芽吹いたのだろうか。

か弱い野菜ながらもその偉大なる生命力にはほどほどに感心するばかりだ。

 

今年のゴーヤは畑に2株、家の軒先に2株に此の珍客をまじえて5株も育つことになる。

実に頼もしい次第だ。

 

家内が考案したゴーヤの輪切り天婦羅が此れまた実に美味いのだ。

苦々しいゴーヤを種ごといただく此れ珍味なり。