老いのひとこと

野暮ったい泥の匂いのする自家製粘土「額四陶土」を用いて六面体の湯飲みを作った。 材料の感触通り如何にも泥臭いのだがわたしなりに評して重厚で野性味溢れた秀作なりと自画自賛したい。 それにしても高級茶は似合わず、そこは安価な煎茶か棒茶が似付かわ…

老いのひとこと

昼食後、疲労の色が色濃く残るが一念発起して長靴を履く。 最大の難所、堀高T字路には多くの車輪で踏み固められ氷の層が敷き詰める。 表層の雪だけをダンプで運ぶ、みな無言で一心不乱に取り掛かる。 見慣れないお方が混じる、よく見ればご近所のぜんけさん…

老いのひとこと

天からの授けものには決して厭うことなく素直に受け入れなければならない。 天命には逆らうわけにはいかない、昨日とは異なる新たなる新雪を今日は潔く受け入れた。 これぞ雪国の宿命、モグラ叩きに似たイタチごっこに時を忘れて興じた。 此の冬初めて60セン…

老いのひとこと

老躯に鞭打ち雪空かしだ、老齢に甘えて放置する手もあるが中々そうとは行かない。 人が歩くであろう路肩だけではあるがテリトリーは結構広い。 何んとか踏ん張り仕上がったので一服し通院の準備を致せば除雪車のエンジン音を耳にする。 外へ出てビックリ仰天…

老いのひとこと

此処へ来た密かなるお目当てがあった。 用を足すのなら野々市にも泉野にも立派な図書館がある。 殊更小立野台地まで来て借りても返本が厄介なるは火を見るより明らか。 実は此処に陳列する30万点の蔵書の中から只の一点の宝石ならぬ見すぼらしい漬物石を探…

老いのひとこと

新装オープン後6か月にして始めて県立図書館へ参った。 狭苦しい本多町の館から見れば随分ハイカラな建物にビックリ驚いた。 余り文化的な素養を身に付けない者にはその威容さに圧倒された。 まるで古代ギリシャの円形劇場に足を踏み入れたかのような胸のと…

老いのひとこと

新進気鋭の1年生議員が登壇した。 無名の語り部が衆議院本会議場を湧かせた。 万雷の拍手と盛大なる声援に場内が終始包まれた。 まさに起死回生のクリーンヒットの連発ではないか。 将来を嘱望されるに足る逸材のデビュー劇を見せて貰った 彼女のような新人…

老いのひとこと

聞きしに及ぶ大寒波、シベリヤ寒気団が忍び寄る。 あながちプーチン寒気団とでも呼びましょうか恐るべき憎むべき寒気が南下する。 記録的寒波のお出ましと日本国中上を下への大騒ぎ。 気温マイナス4度平地でも降雪40センチ路面凍結に水道管の破裂に注意しろ…

老いのひとこと

清楚にして秀麗なる此のお花が此の荒ら家に嫁いで早や三ケ月が過ぎた。 最早かつての面影はどこにもなく老醜を晒すのみ。 命あるもの形あるものの必定の掟に従い今まさに終焉の時を迎えんとす。 白装束の裾もくびれ音もなくどたりと落花する姿は何んと云って…

老いのひとこと

雪のない春めいたこんなお正月は珍しい。 髭ずらの丸坊主が素足の草履履きで街中を徘徊いたせば本物の認知症がお通りだと人はみな伏し目がちに遠ざかる。 尤も裏道しか往かぬので人に出逢うは滅多にしかない。 もっぱら出逢うはお犬様、愛想のないポチともう…

老いのひとこと

恒例となった白山さんへの初詣を兼ねた左義長詣りへ参った。 混雑を避けて昼近くに遅らせたがそれが返ってアダ花だった。 おまけに裏口入場への道順を間違え本線に割り込んだ場所が愚かにも昆虫館の手前ではないか。 ぎっしり詰まった車列は前へ進もうとはし…

老いのひとこと

時の人山上徹也 世紀の人物山上容疑者が起訴された 殺人容疑をすんなり認めたと云う 一人だけであっても事の重大性にかんがみ死刑が免れまい 裁判員に選任された六人の裁判員は人間山上徹也の肉声を直に聞き山上徹也に問い質すべき事柄を抜かりなく慎重に問…

老いのひとこと(51)

妙典寺に鎮座する津田半山の墓は儚くもか細き血縁の糸は無情にも断ち切れた。 母方の曾祖父に当たる近吾の腹違いの兄と思しき津田近三は何と事もあろうに彼の成瀬正居の弟君で在られた。 津田本家に養子入りした近三は養父津田和三郎を尊崇の念で祀り上げ奇…

老いのひとこと

「転ばぬ先の杖」とでも言おうか「備えあれば憂いなし」の教えに従い先ずはご近所のケアハウスを内部見学できぬものかと徒歩にて訪れてみるもプライバシーを前面に掲げて門前払いを喰らう。 無駄足を喰らうお疲れ様でした。 ならば鶴寿園を覗いてみようと車…

老いのひとこと

あのカミナリおばはんがまたヒスを起こしている。 朝っぱら携帯を開けば入って来るニュースが此のざまだ。 又しても例によって例の如く足の引っ張り合いの内輪もめ、もうウンザリだ。 立民のお家芸を性懲りもなくお披露為された。 敢えて自ら政権担当能力を…

老いのひとこと

正月気分から醒めきれないばかりか体時計の老朽化が進みもう用を足さない、連日布団の中で縮こまる有り様。 でも怠惰は止そうと思い切って跳ね起き身支度を整え「体の操り事初め」に自転車を漕いだ。 ところが暗闇の中で携帯ラジオと思しき物体を鷲摑みして…

老いのひとこと

此処のところは雪がない、専ら修行道場へ直行し同じ経路を往復する。 少々冷たいが永平寺草履のご利益であろう難なく耐え抜く、歩むことの上に更に偉大なる付加価値を授けられた思いだ。 人通りの途絶えた街中で遥か向こうから人影が少しづつ近付く。 わたし…

老いのひとこと

抹茶を立てる風雅なる素養を持ち合わせもしないものが棗を作りました。 そもそも茶道具とは縁なき武骨なる無作法者が棗を作ってしまいました。 笑い種にも為りはしない、まことに笑止千万でしかなかろう。 上蓋が本体に密着し密封されねば抹茶が湿り味覚が損…

老いのひとこと

縁起でもない話ではない、行き着く帰着点に過ぎない。 本来なら長男が継ぐべき高橋本家のお墓を何かに託けて三男利治に任せ切って半世紀以上の年月が流れた。 ところが今此の時点に至って利治家のお家の事情で娘婿の相続が敵わぬ事態に陥り急遽わたしへ引き…

老いのひとこと

13年前に義母澄子から形見分けに骨董の品々を貰い受けたことがある。 それらは押入れに格納し折に触れてはをあれこれ吟味した事もあったが暮れの頃に隠れし逸品に遭遇し些か驚いている。 入念に仕込まれた桐箱には「白井華陽書摩島松南詩」此の表題を半山が…

老いのひとこと

はかなき技量ながらも渾身の力を振り絞り面がね作りに奮闘した。 その努力の甲斐あって見事な作品に焼き上がった。 欲を言えば面布団が寸足らずでもう少し左右へ伸ばすべきであった。 よく見れば無意識的に「物見」が設えられているではないか。 敵の隙を観…

老いのひとこと

今井騒動が姦しい。 白昼堂々と不倫紛いの破廉恥すぎる醜聞を平然と撒き散らし居る。 もう見ては居れない顔を背け目をば両手で覆う。 立民から自民へ何食わぬ顔をして渡り歩いた人物がいた。 犬にも劣る仁義に反する薄情者がいた、政治家紛いの女がいた。 矢…

老いのひとこと

「米寿記念 釋正鈍」と尤もらしき刺繍を施した袴に一張羅の胴着に腕を通しさあ初稽古だ。 とは申せど最早防具を着装いたせば其の重みに耐え切れず蹲踞の姿勢がおぼつかない。 相方には「失礼」と一礼して竹刀柄頭を床に置いて杖代わりの無様振りだ。 二往復…

老いのひとこと

歩行者優先とは言うものの事除雪に関してはやはり圧倒的に車優先で歩道は雪の山、此れが紛れもない現実。 果たして北欧諸国では如何なものなろうか。 車道には雪がないので久方振りにさあラジオ体操へ出立だ。 ところが公園は雪で閉ざされ我が専用の箇所へは…

老いのひとこと

雛型のようにはいかなかった。 可憐で清らかでそれでいて明るくとても素直なそれは素敵な理想の乙女像に期待を寄せたがそうはいかなかった。 くすんだ生気のない彼女に接しわたしは確かに気落ちしてしまった。 今回は失敗作揃いだ、おまけに此の土鈴は高く澄…

老いのひとこと

年末の雪も消え去り危ぶまれた正月の雪も事もなく済んで呉れたようだ。 サンダーバード6号は金沢始発ゆえ懸念する程のこともなくすんなり乗れた。 車窓からも以前と変わらぬ家並み田畑に目を遣りながらも随所に都市化の槌音らしき息吹を垣間見た。 敦賀を過…

老いのひとこと

家内の妹えいこは臓器を患い療養の身、お見舞いを致さねばならぬとサンダーバードに飛び乗る。 何年振りの県外脱出と相成ろうことか6時45分から9時22分まで凡そ2時間半電車に揺られつづけその間ただ線路の老朽化を気にし通した。 決して快適なる旅ではあろう…

老いのひとこと

二刀流ならぬ三刀流で圧雪をば快刀乱麻を断つ思いで斬り捨て投げ捨てた。 此のご老体の獅子奮迅の大活躍を薄日洩れるお天道様が微笑みながら見届けてくださったようだ。 大型重機に依る除雪後の後始末が此れまた結構厄介なのだ。 道路わきに置き去りにされた…

老いのひとこと

前線が通過し風こそ止んだが又々相当の降雪量に見舞われた。 おまけに雨気でずっしりと重い全く始末に困る。 上っ面をスコップで掬い側溝へ投げ捨てる実に手間が掛かる。 腰を労わりながらも左右のバランスを取りながらこれでもかこれでもかと際限なく戦いは…

老いのひとこと

在庫処理! Xmasプレゼントには久方振りの地吹雪とは恐れ入る。 30センチばかりで驚く程でもないが公教育優先策で川向いの学校では駐車場確保のため早速大型重機が非常灯を点滅させながら盛んに唸っている。 時代は移り変わったものだ、往時では想像も付…