老いのひとこと

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宛がわれた新しい畑地で土起こし、鍬ならぬスコップでの作業に精を出す。

畝幅は歩幅二つで長さは二十歩あって広さは十分すぎよう。

マルスコを踏み込むが歯が立たない、休耕地だった所為か意外と固い。

それでも闘志を掻き立て足掛け部分に左の足を乗せ踏み込むが一向に沈み込もうとはしない。

ならばと右足を足掛けに飛び乗り全体重を掛けて踏ん張るがそれでもびくともしない。

この野郎と取っ手をしっかり握り柄を左右に振り込み乍ら体重を掛け大地を切り裂きながらスコップを沈ませる。

十回ほどでようやく歯の部分が地中に隠れてくれる。

次は渾身の力で取っ手を引き倒すようにして畑地を掘り起こす。

まさに開拓者魂がものを言う。

でも小一時間ほどで音を上げ取り敢えず本日は退散することに決めた。