老いのひとこと

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カイズカイブキの生け垣に攀じ登るのは南瓜だけで結構です。

ところが今年は攀じ登りが大得意の蔦(つた)と屁(へ)糞(くそ)葛(かずら)が悠然と占拠いたすではないか。

此れには些か閉口する。

根元から断ち切ろうと茂みに潜り込み手探りで大元を捜す内に右腕の前腕部に枯れ枝に触れたのであろうヒリリとした痛みを感じた。

直ぐに作業を中断する程でもなかろうと猶もやけくそ気味に手探りし漸く剪定鋏を入れた。

見れば少々出血中だ。

今日のお仕事は此処までと早速水道水で傷口を洗った。

皮膚の一部がめくれて生身が直に観察できた。

オキシフルを流し更にスプレー式消毒液を吹き付け傷当てパットで家内は処置して呉れた。

長袖を着用中だったが腕まくりして張り切ったのが拙かった。

何ら怪我の功名には至らず終わったが大事に至らずに終わったので何よりだった。

 

老躯にして猶鮮血したたるを見てやれ恥ずかしや