老いのひとこと

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剣道袴の刺繍銘に「米寿記念 釋正鈍」と明記した。

正直、米寿にはまだほど遠いが願いを籠めて我が法名「釋正鈍」の名で我が米寿を祝した。

独り稽古を旨として修行を積んだおのれ自身へのご褒美の意味を込めて此の世より彼の世への橋渡しを遊び心で捉えてみた。

つまりは此の世で祝うべき米寿を待たずして彼の世へ逝ったとて此のわたしは御独り様にてわたしの米寿を彼の世にて祝いたく願いを込めた次第なのです。

勿論、其の祝いの儀式には閻魔大王さんが立ち合い「心」の垂れネーム着装の拙者が見通しの良くないフエースガードを付けた面を被り畏れ多くも元立ち山岡鉄舟先生に向かって遺憾なく懸かって参りたいのです。

適うものなら「日本剣道形」も先生の元に打たせて頂きたい。

次いで「法定の形」を此れ又僭越ながらも山田次朗吉先生にご指導を仰がねばなりません。

此れらが彼の世にて正夢と相成りますように今まで以上に心を籠めて精進いたさねばなりますまい。