老いのひとこと

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         晩秋の紫陽花

季節の移ろいを肌で感じながら飛ぶ雲と風に吹かれるコスモスの花とを見、また小鳥のさえずりを耳に挟みながらそぞろ歩く。

我執や我欲、雑念妄想の世界から極力間を置き明鏡止水の境地をさがし求めてそろりそろりと歩く。

歩いている我を忘れ歩いていることすら忘れ去り無我の境地没我忘我の境地に浸りきる得難き一瞬を体得してみたい。

体得できる日は極めて稀でなかなかその境遇には辿り付けるものではない。

先日の事、幅一間余りの点字ブロック設置の歩道を夢遊病者のような足取りで歩いていたのでありましょう、突然前方から自転車に乗った人物が現れ気が付けば荒々しい言葉で「危ないじゃないか」と吐き捨てられた。

わたしが叱責されたのです。

見れば嘗て少しく前まではオバはんで在ったと思しき老女が平然とした面構えで通り過ぎるのはないか。

正気に戻ったわたしは其の言葉を直ちに切り返し彼女に浴びせ付けたくなる衝動をぐっと堪えた。

大人気ないと思いとどまった。

自転車とて車両の仲間、車道を通りないよと一喝したかったのを抑えました。

とかく斯様なる不可解な不条理に出くわすものだ。

聡明なる日本人の中にも飛んでもない人が居るものなのですよね。

そんなのがうようよしているとまでは決して思いたくはありませんが・・・