老いのひとこと

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好いお天気がよう長いこっちゃつづいたものだ。

予報では週明けの火曜日から雨模様のようだ。

雨の前に一仕事と地下足袋姿で野良に出る。

人力耕運機の発動だ。

スコップと三角鍬による二刀流の始動だ。

猫の額ほどの空閑地に自慢の手動式人力耕運機のお出ましなのだ。

畑地を創る悦びと労働の喜びが相乗効果で倍加し真新しいもう一つの歓びに転化する。

一か所には余分となった処分寸前の玉葱苗の生命発露の場としたい。

もう一か所には透明ビニールで簡易温室を設け時季外れの大根栽培と春菊栽培にチャレンジする事とした。

珍奇な試みにワクワク感がいや増すばかりだ。

何んと石灰と腐葉土元肥を同時並行的に掻き混ぜてしまった。

 

遠くで時を知らせるチャイムが流れる。

まるで釣瓶落としのように秋の夕暮れは早い。

5時だと云うのに辺りはもう薄暗く黄昏れる。

突然左手首の脈打つ箇所に強烈な痒みが走る。

晩秋にも未だ藪蚊がいるぞ。

それもデッカイ奴がいる。

軍手とシャツの袖の僅かの空間に闖入しあがり我が動脈よりふんだんに吸い盗りあがったなあ。

仕事に無我夢中で気付かなかったわい。