老いのひとこと

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絶好の小春日和で汗ばむくらいだ。

ウインドーブレカーを腰に巻き額新地内を行けばブットレアの花咲く庭先に差し掛かる。

よく見れども其の古木がない。

どうしたものかと眺めおればに庭仕事中の御方がとうとう枯れ申したと寂しげに云う。

跡継ぎの枝を剪定し同じ箇所に挿し木いたしましたよと笑顔を湛えて語り掛ける。

暫し挨拶を交わしながら土塀に目を遣れば

可憐な白き小花が顔を出す。

何でしょうかと尋ねれば何も言わずに手早に数本千切って此れ「初雪かずら」ですよと云う。

ブットレアと同じようにどうぞ可愛がって下さいませと手渡して呉れたではありませんか。

蔓を伸ばして這い上がりますので軒先などに直接挿し木なさっては如何でしょうかとアドバイス付きだ。

素敵な名前同様に素敵なお方が居るものだ、大いに感謝したい。