老いのひとこと

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基本打突のお稽古の最中であった。

四十代の巨漢剣士から頂いた正面打突が炸裂し其の刹那に体を右へ躱し衝撃を避けねばならぬところヘマを仕出かした。

多分に反射神経が劣化し退化した証でしょう。

かと言って其れを予期して一瞬早めに体移動を為すは在るべからざる悪習で忌み嫌われましょう。

しっかり正面で受けて処理する鉄則に

準じたものの失態を演じてしまった。

猛烈に突進する相方の体勢が我が左肘を直撃した。

自ずと我が肘は我が胴に圧着し少しく衝撃が走る。

柄頭を握る握力には差ほどの異常を感じなかったので最後まで稽古を続けた。

稽古後点検いたせば軽い内出血と

肘内側の靭帯を傷めたらしく肘を外側へ開くと痛い。

剣道人には死活に関わる左の腕ゆえ大事を取ってスパイダル先生の元へ駆け込んだ。

円回内筋と其の靭帯に軽い炎症を来たしているとの診断で念願のスパイダルを施して貰った。

大事に至らず助かったようだ。