怪しからんことだが老衰の前兆現象が最近とみに目立ち始めたようだ。
歩みを執るテンポが極端にスローモーになった。
テキパキ歩けと指令を出すが我が脳が受け付けない足がさっと前へ出ない。
体重移動が不安定で体がふら付きよろける。
正気になれ、正気で居れと一歩一歩注意を促しながらゆく。
蹴つまづくな倒れたら一巻の終わりだと警告を発しながらゆく。
膝を挙げろ腿を挙げろと喚起を促す此のザマは「到頭来たか」と哀れみ感に包まれる。
今日は身の危険を感じたので中回り道程に甘んじた。
早晩必ずや襲い来る老衰前兆を厳粛に受け止めねばならない時期が間違いなく間近に迫り来た。
天命に逆らうことが適うはずがない。