老いのひとこと

築40年に近い荒ら家ながらも自慢の生け垣だけは健在であったのだが昨年以来葉の変色兆候を来たし新緑萌ゆる此の時期になっても蘇生の兆しをみせようとはしないのだ。

枯死と断定せざるを得ず伐採いたそうと思ったが念のため市役所へ照会状を出して確認を執ってみた。

蔓延の恐れがないものか、また処置法や予防対策等をメール便で送付したのだが何時まで経っても梨のつぶて薄情なものだ。

「緑と花の課」は随分と洒落た名称ながらどうも緑と花の名に裏切られたようなものだ。

市民と云う名も無き一般人であってもちゃんと公務員と云う名の召し使いを大勢囲っているはずだ。

パブリックサーバントの任を果たしてほしいものだとヤキモキ致す其の矢先漸くにして一報が入る。

ところが案の定予期した通り役所は個別の案件には関与し難く最寄りの植木屋さんに相談せよと突き放されてしまった。

此れ安易なる民間委託と云わずして何んと云う。

 

斯くなれば生け垣の名を返上し枯れ垣と致さねばなるまい。

古都の風致地区にて景観を害する反逆行為を承知の上ながら此れ万やむなし。