老いのひとこと

              無断掲載

          イノシシの頭蓋骨=無断掲載

予てより一度は通って見たかった一級林道犀鶴線を畑友出口さんのお車のお蔭で走行してきた。

尤も全線ではなく菊水地内までではあったが今念願が適い夢のよう気分だ。

途中路肩を広めた展望所が設けられ眼下には見事に蛇行する手取川が造成する手取扇状地が展開し遥か彼方には薄靄にかすむ水平線を望む雄大なるパノラマに只々息を呑んだ。 

峠を越えれば其処は我らが金沢市内にして急峻な下りが延々と続き夥しい数の小石ほどの落石現場にも出くわした。

然程の身の危険こそ感じなかったがどうも此れはイノシシの仕業であるらしいことを後で知った。

車両保全のため委託業者が除去作業に当たる。

金沢市内とは言え此処は紛れもなくれっきとした獣たちの楽園に他ならない。

ニホンザル、月の輪熊、カモシカは元よりタヌキやキツネにテンにハクビシンまでまさに至れり尽くせりと言えまいか。

現に此の日もわたしに取っては63年振りの知友小西清君に出逢うことが叶った。

彼は恰も野生動物写真家よろしく珍奇な獣たちに遭遇しそれらを被写体として絶妙のシャッターチャンスを逃すことなく見事に捉え続けた別格のプロ級のカメラマンなのだ。

実の驚くべき場面を的確にとらえた貴重なる写真資料の持主なのだ。

対外的に誰にも披瀝はしてないと云う。

個人的に秘蔵するだけの純真無垢なるマ

ニアなのだ。

恐れ入りました完璧に舌を巻きました。