2022-06-24 老いのひとこと 無断掲載 尋ね人ならぬ尋ね猫の貼り紙の効なく行方不明のまま潰え去ったという。 金木犀の巨樹に象徴される家方でもあり他にも百日紅に椿に柿木などが繁茂する。 其の木蔭に其の家のご高齢の奥方が懐に猫を抱いて佇んでいられる。 よくぞ見付かりましたねと近寄れば満面の笑みを湛えて嬉しそうに応対される。 「此の子はね、野々市の施設から里子として戴いてきました」と本当に幸せそうな笑顔で頬ずりされる。 わたしが手を出せばどうも髭面に驚いたのか行き成りのけ反るように顔を背ける。 此の子はね生後3か月の幼子で人見知りが激しいのですよと又しても可愛くて仕様がない素振りで本当に嬉しそうに笑われるのでした。 此の幸福をもたらす生き物にこちらも貰い笑いを戴きました。