老いのひとこと

城谷川の護岸の為のコンクリート壁と市道の路面のアスファルト壁との間のほんの僅かばかりの隙間を住処とする植物が居る。

マツバウンランニワゼキショウコニシキソウネジバナ・ワルナスビ等々枚挙にいとまがないが名も知れぬ雑草たちを加えればそれこそ数え切れない。

暑い日であったが此の川べりの植物を根こそぎ毟り取った。

今年は此の異常気象がゆえに上記の素敵な仲間達にはお目に掛かれなかったので気遣うことなく全ての雑草を駆逐した。

序でにお隣さんの領域にまで手を伸ばし作業したのだが実は今は亡き隣家のご主人は此の隙間の植物を嫌って天然ゴム如きコルタール如き弾力性に富む物質を奥深く注ぎ込んだのであろうが強靭なる生命力を宿す雑草には通用する筈もなく其の障害物を貫通して繁茂するのです。

ところが此の特殊な環境下に自生する植物の生への執着心にはほどほど手を焼いた。

人間はおのれの我欲で如何に自然を制圧しようと致せども自然の生命力の強かさには全く通用しないことをまざまざと見せ付けられた。

傲慢なる人間たちの愚かさをつくづく思い知った。

自然を冒涜いたすべかず。