老いのひとこと

大下容子ワイドスクランブルのお蔭で和田直樹の「80歳の壁」に在り付けた。

一気読みした、面白かった。

医師が同じ同業者を完膚なきまでも扱き下ろし貶し見下した。

痛快無比なる捕物帖を読むように面白かった。

医師たるものは患者を診ずして只検査の数値だけを見ているのだと暴露する。

数値を正常値に致さんと患者を薬漬けにして平気な顔をしていると歯に衣着せぬ物言いだ。

血圧・血糖値・コレステロール値を薬で制禦するなんて若者なら兎も角高齢者に強いるとは愚の骨頂だと豪語する。

 

ただ和田医師の定説で腑に落ちないことが一つあった。

先生は「我慢はしてはいけない」、「我慢は老いやボケを速める」だけでダメですぞと力説する。

勝手気ままに好きなように、まあ適当にやればよいのだとおっしゃる。

 

また一方でやってみようと思う事、やれると思われる事には躊躇なく挑戦すればよいと云われるので額四峠を目指してペタルを漕ぎ出す。

幾つかに難所に出くわし息も絶え絶え死ぬる思いで歯を喰いしばる。

まさに我慢に立ち向い我慢を体得し其処から満足感を頂戴している行為は死を早めるだけの馬鹿げた愚行なのか其の辺を是非とも知りたいものだ。