老いのひとこと



土用の日に今年も稽古できたことを喜びたい。

暑気に魂消てつい弱気になるが「非切」を臍下に納めて打ち合ってきた。

歩行にはふら付く身乍ら面紐をピリット結わえば自ずとシャキリとす。

 

その日、100歳剣士太田博方範士の話を小耳に挟んだ。

100を越えても猶現役を保持為される素晴らしき鑑と致すべき剣士で在られたと云う。

 

博方語録から光り輝く文言を頂戴する。

*車中にて高齢と思しき人物あれば潔く座席を譲るべし。

*戦績なく段位とてなく如何に無名の剣士であれど怯むことなく倦まず弛まぬ努力を傾注し終にはおのれの人生に正々堂々打ち克つべし。

*行きずりの人に出逢えば軽く会釈し此方から頭を下げる寛容の気を示すべし

 

 

涙が溢れる高潔なる薫陶を賜り、此れを機に武士道精神に根差した剣士の生き様をわたしなりに地道に探究し追及して参りたい。