老いのひとこと

聞き慣れない熱中症警戒アラートが発令され放っなしです。

さすが日中ひなかは家の中に籠りじっと息を凝らす。

全窓開けっ放っしで偶に通り抜ける空気の移動を心待ちする。

大概その間は午睡をむさぼり太陽が傾き始めるころを見計らいやおらお出ましと相成る。

追風よりも向風の方が風を切り涼しいので助かる。

第一難関の浅地邸横を登り切り大通りの出る。

暫し停車し息を入れる、車が途絶えたことを見定めて横断するのだがアラート発令の此の日はどうしたことか外環道を下りた市バスを含めた車両数台がわたくしの横断を優先させようと一時停車する。

この様な現象は始めてなのでわたしも躊躇って動かずにいたのだが温かい善意の目線がわたしに注がれているのに気付き頭を下げながら急いで渡りきった。

弱者を労わり気遣う交通マナーに心ならずも感心した、恐らくはアラート発令の為せる業だったのだろう。

 

そして額四峠に差し掛かれば歩道一杯に大型重機が入り山の斜面の夏草処理に当っている。

一先ず自転車を降り横の車道を手押しで通過いたそうとすれば作業中の随分眼光の鋭いいかついオッサンがわたしの前に立ち塞がり「車道は危険です」と一言発し自らわたしの自転車を引いて重機の横をすり抜けて呉れたのです。

お顔に似合わず優しい心遣いのできる出来た人物に遭遇しこころが和んだのです。

 

これもアラート発令のお蔭かもしれないが善意の人に出逢えて善か一日でした。