老いのひとこと

水盤を作る。

5ミリのたたら板の上に楕円の型紙を乗せカットする。

此の底の部分に高さ2センチ強の縁に当たる部分をぐるりと取り巻きハイ終わり。

いとも簡単そうだが中々骨が折れる、その都度若きお師匠さんからの的確なアドバイスのお蔭に違いがない。

内側の接着面の隙間を補強に何とか仕上がった。

さあ高台を付けなばならない。

裏を返して四つの脚の部分を付ける作業中に底の部分の中央が重みで沈み始め微かに湾曲するをみて慌てて裏返しをして四脚の空間部に濡らした布を宛がい何んとか作業を終えた。

やれやれと一息継いで本体をよくよく見れば何のことはない今度は底の部分が僅かながら隆起しているではないか。

早速上からも濡れ雑巾を重しにした次第だ。

 

此の水盤の基盤は沈降と隆起の地殻変動に揺れ動く何んと物騒なる水盤であることか。

 

残暑厳しき中ながらも心頭を滅却いたせば火も此れまた涼しからんやの心境を修得できた。