老いのひとこと

ちっちゃな軒下の僅かばかりの空き地に余り物の自家製苗を植えようと地面をスコップで掘り起こした。

得体知れない相当強固な根っ子が走る。

或いはヒョイとして例のあの貧乏カズラじゃなかろうかとスコップの先っちょで切断を試みた。

確かに手応えがあったのだが其の刹那、いきなり噴水のように冷水が飛び散った。

何んと水道管を切断してしまったではないか。

暫し唖然として立ちすくんだが間を置かずして気転が働き元栓の元へ走っていた。

辛うじて認知機能が生きていて呉れたので助かった事になる。

 

企業局の請負業者が点検し塩ビ管の接合部が

抜け落ちただけで事なきを得たのだが補修費がほんの一滴の接着剤ながらも6600円の請求には魂消た。

チョイとした過失の代償は豪く高かったが公園からの貰い水の難を免れ何よりホッとする。

風呂もいただきライフラインの大切さにつくづく感謝した。