老いのひとこと

ほぼ6か月ぶりにフルコースを歩く。

腹を突き出し胸張って上を向いて歩こう

青空を見上げよう樹々の葉の輝きを見よう鳥たちの囀りを聞こう。

 

柳と葉を落した枝垂れザクラを背景に早くも枇杷の花芽が芽吹く。

角家の娘さんに子が出来てヨチヨチ歩くではないか。

時の移ろいを感じ入る。

馬替神社の鳥居の前にたたずみ家族の安寧とウクライナに和平をと願懸けた。

裏通りのおお祖母さんの姿なく代わりに藤袴の花が出迎えてくれた。

何んと大老舗のお多福の店舗がない更地に少々驚く。

向かいの大女将の家には今日は洗濯ものが干してはないぞ。

日露戦役に散りし若き三勇士には懇ろに挨拶を交わす。

 

タカちゃん付近から少し疲労感が走るが電車の踏切には扱けないように注意を払う。

84理髪店の大マスターの日向ぼこ姿はなかった。

閑散としたスズメのお宿では一羽が顔を出して呉れたようだ。

相変わらず愛想むないポチだが口笛に振り向いて呉れました。

恐らく8月4日の豪雨の所為か馬替上橋下の川床が極端に隆起し水嵩がない。

地アユもハヤも元より放流せし金魚も見る蔭もありませんでした。

 

 

脚衰えたとはいえ完歩出来てこんなに嬉しいことはない。

 

秋は喨喨と空に鳴り響く。