2022-12-02 老いのひとこと 何時ものコースを辿れば小雨がぱらつく。 此の上なく用心深き御大は快晴と言えども必ず雨傘を携行するので全く以って事なきを得た。 日毎のトレーニング場が待って居る。 滑っては拙かろうと左を手摺りに右には傘を杖代わりに慎重に渡りきる。 心もち足が軽い足取り軽やかに帰路に就く。 最終コーナーを曲がって小学校のグランドに差し掛かれば此の雨の中学童たちは威勢のいい声を掛け合っている。 コーチャーのノックの球を懸命に追う。 ネット脇にはバッテリーが入念に球を投げる。 長身なエースピッチャーは伸びのあるいい球を投げる。 何も知らない此のジッ様は自慢らしくも「投げてから左脚にしっかり体重移動を!」と檄を飛ばしてしまっていた。 彼は軽く帽子に手を遣りながら小声ながら「有難うございます」と一礼を返したではないか。 好いチームだ。 監督さんの指導方針が行き届き選手たちが実に素直に育っている。 素晴らしいぞ。 礼儀を尊ぶスポーツは決して剣道だけでないことを目の当たりに出来てとても気持ちがよかった。