老いのひとこと

年末の雪も消え去り危ぶまれた正月の雪も事もなく済んで呉れたようだ。

サンダーバード6号は金沢始発ゆえ懸念する程のこともなくすんなり乗れた。

車窓からも以前と変わらぬ家並み田畑に目を遣りながらも随所に都市化の槌音らしき息吹を垣間見た。

敦賀を過ぎれば日本列島の地形と冬の季節風が綾なす銀世界が目に飛び込んだ。

今庄辺りは本格的冬景色を変わった。

神が定めし天然の掟のような雪景色だ。

紛れもなく裏日本の住人が背負う宿命に違いはなかろう。

長いトンネルを幾つもくぐり抜ければやがて陽光輝く別世界へ誘われゆく。

裏日本と表日本の分岐点は何処かに在った筈にも拘らず恰も魔術に掛けられたように裏から表へと連れて来られました。

車窓が明るく温められ車内は逸早く春の陽気が漂い暖かい。

やはり表は好いなあと羨むほどだ。

うじうじした気分から瞬く間に解き放され開放された。

 

コロナ以来三年振りに孫たちに再会、るいちゃんの成長点が目を醒ますのももう直ぐだろうお姉ちゃんたちを追い越す日もそんなに遠くではないだろう。

双子ちゃんたちの成長点は最早全開状態で何時の間にか女の子を通り越して春爛漫の可憐なる乙女となってしまったではないか。

伸びしろまだまだ在りそうで父親を凌駕する日も近かろう。

息子三男からは大阪の老舗草葉善右衛門商店より信楽並み漉土20kをプレゼントされた。

作陶意欲を今年も燃やしつづけねばならない。

ようちゃんは手に持てない心尽くしのお土産を抱えて暫しの別れを惜しんで呉れた。

サンダーバード37号に乗って帰った。

日帰り行程はさすがに疲れ申した。