2023-01-13 老いのひとこと はかなき技量ながらも渾身の力を振り絞り面がね作りに奮闘した。 その努力の甲斐あって見事な作品に焼き上がった。 欲を言えば面布団が寸足らずでもう少し左右へ伸ばすべきであった。 よく見れば無意識的に「物見」が設えられているではないか。 敵の隙を観る、眼光鋭く牙を剥いて吠える。 「物見」から敵の起こり頭を捉えて間髪を入れずに先の技を繰り出さねばならない。 面がね越しに雄叫びが唸る。 一介の剣士が此の面がね越しに蠢いているではないか。 わたしにはその様に窺える。 その人物は外でもない此のわたし自身のように伺えてならない。 してやったりだ。