老いのひとこと

 

13年前に義母澄子から形見分けに骨董の品々を貰い受けたことがある。

それらは押入れに格納し折に触れてはをあれこれ吟味した事もあったが暮れの頃に隠れし逸品に遭遇し些か驚いている。

入念に仕込まれた桐箱には「白井華陽書摩島松南詩」此の表題を半山が書き入れた。

華陽の別称梅泉を讃美して書家松川半山が木箱に墨書した。

調べれば白井華陽は江戸晩期の岸派の絵師であり同じく江戸末期に活躍した詩人

摩島松南の三行詩が添えられ此のご両人の合作による掛け軸に相成りましょう。

ところが調べる内にほぼ贋作であろうことに気付かされた。

現存する確認された華陽の作品が10点未満であるならば真作の可能性は無いに等しい。

斯くなる上は「なんでも鑑定団」に応募し真偽のほどを確かめるしかなさそうだ。

恥を忍んで一発勝負に出てみようか、驚きの鑑定結果に腰を抜かすかも知れないぞ。