2023-03-21 老いのひとこと 半日がかりの脳作業が相当堪えたらしく昼めしを摂れば炬燵に足突っ込みバタンキュー、珍しく二時間の午睡をむさぼったがそれでも何かしら物足りなさに気付く。 やっぱり遣り残しの石踏みを忘れていては気が済まない。 5時を知らせるチャイムを聞く、タカちゃんの厨房からは唾液や胃液の分泌を促す強烈なる炭火焼きの香りが充満する。 石踏み場では痛覚のみならず匂い此処まで漂い嗅覚への心地よい刺激までをも味わう。 帰路では大きなショックと失望感に直面する。 弓の名人、坂井射手宅の桜の名木がない。 昨日には現存したはずの見事なる大櫻が忽然と姿を消した。 直ぐにでも一花咲かせるはずの桜の大木が非情にも伐採されたではないか、淋しいではないか。 小学校のグランドには球児たちの黄色い声がはしゃぐ。 宵闇せまる中白球を追う、スイングし球に飛び付き捕球する。 成人のコーチャーも熱心だご立派だ。 根拠はボールをよく見ることの大切さを学んでいるのだろう成る程そうかと一人頷いた。 東方の山の端には春弥生の夕暮れ時の大きなおぼろ月についつい見惚れてしまった。