老いのひとこと

陶板に挑む。

山岡鉄舟の明言

 

晴れて好し

曇りても好し

富士の山

もとの姿は

変わらざりけり

 

を葉書サイズの大きさに納め縁取りを施した硯屛仕立てにした。

硯の傍に立てて風除けに塵や埃の舞い込むのを防ぎ墨汁の乾きを嫌うのだという。

どうしたことか古代中国の王義之や顔真卿らの著名書家の名が思い浮かぶ。

何んと風流にして厳かなる書道の道義なのだろう、但しわれら凡人には近寄りがたい。

 

 

晴れて居ようが曇ろうが富士の山は美しい、富士の山の素晴らしさは不変だ。

同じように我が身自身にも絶好調な時もあろうが耐えがたい不調に苛む時もあろう、でも自分は自分であることに変わりなく不変である。

富士の山は不二の山、二つとない此の世に二人といない自分自身をこよなく愛し富士の山のように悠然と雄大にドンと構えて生きて行かねばなりませんよと鉄舟は我ら凡人を諭し勇気づけて呉れているのです。

鉄舟先生よ、生きた教訓をありがとう。