老いぼれへぼ剣士の夕雲考《21》

郷土ゆかりの仏教学者鈴木大拙が事もあろうに針谷夕雲と深いかかわりを持っていたのです。
その経緯について浅はかなる洞察力でもって追い求めてみました。
 
 
 
鈴木大拙は夕雲をどのように観察し評価したか(1)
 
 鈴木大拙記念館なるものが生誕の地でもある本多の森に平成二十五年(二〇一三年)を期して建設される手はずとなっている。
 金沢経済同友会の提言を受けて山出保元 金沢市 長が公言するにいたった。
 平成二十二年十月二十二日には本多の地にて建築家谷口吉生氏の手による記念館の起工式がとり行われた。
 郷土ゆかりの著名なる仏教学者鈴木大拙師が、無住心流剣術を自ら編み出したこの針谷夕雲と絡み合う間柄であったとは極めて奇なる縁としか言いようが無い。
 その間の経緯を尋ねるべく 金沢市 のふるさと偉人館へ照会するに、追って松田昌一館長先生より花園大学の桐田清秀教授の紹介に与かった。
 桐田先生は鈴木大拙の研究家で、取り分け鈴木大拙全集全四十巻(岩波書店)の編集に協力されている。
 この稿を進めるに当たり、大拙に関わる基本的情報の提供に与かっているは言を待たない。