老いのひとこと

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またしても取り留めもない事なのです。
 わたしは愛用の長靴をはじめ冬用ブーツの多くを後生大事に保管する。
 保管と云っても只雑然と物置部屋に放置するだけに過ぎぬのだが中には片方が水漏れするひどいのもあるのです。
 すると家内は不燃物収集の日に出しなさいと重ねて言う。
 水の中に入らぬ限り用を足すものを無下に捨て去ることは忍び難くわたしは我が儘なる主張を貫き通すのです。
 雪のシーズンを迎えさすがに自転車乗りは敬遠せざるを得ない。
 最近は専ら歩くことと致し雨合羽さえあれば何が降ろうが事が足りるのです。
 先日のこと、30年越しではあったがLLビーンズ製のチェーンソール付きのハンチングシューズを履いてみようと捜すが見当たらない。
 狭い家の中隈なく捜しまわるが何処にもない。
 家内のしわざに相違なかろうと問い質せばそのようなものは存じ上げてはいませんという。
 片っ端から天井裏まで目を光らせたが出ては来なかった。
 これは何時も「斷捨離」に目を注ぐ家内によってとうとう不燃物処理されたに違いなかろうかと尋問いたせば即下に例によって例の如く犬も喰わぬ という騒動劇に発展いたし華々しく遣りあったのでした。
 暫し間を置き、冷静に気を静めてもう一度物置を丹念に調べれば家内はあそこにあるあれは何だろうという。
 脚立に登ってみれば何と其処にLLビーンズが現れたではないか。
 家内は気を利かせて片付けて呉れたは好いが此の片付けたことをすっぽりと失念していたらしいのです。
 とんだ大騒動ではあったが此れは笑い事ではありません。
 喜悲劇では済まされません。
 お互いに齢を召して行くにつれて避けれぬ深刻な宿命的な重大事として肝に銘じて置かなければなりませんね。