猫の爪のひっかき傷で思い付いたのだがノーメイクのすっぴん顔に此の際思い切って厚化粧を施してみたら面白かろうとつい茶目っ気を出してしまった。
弁柄に色化粧土の鬼板を少し混ぜ込んでひっかき傷の部分に軟膏でも塗るように筆をなぞらせてみた。
掘り刻まれた溝の陰影が少しは強調されはしまいかと試してみたのです。
正解や否かは焼き上がる秋口ころまで判らぬのだが先ずは何事とて試してみることが大事でしょう。
先日の講義の中で先生は緻密にして繊細な技巧を駆使するのがどちらかと云えば「陶芸」のジャンルに属し片や粗野にして荒削りながら大胆に切り込むのが「焼物」じゃなかろうかと解説なされていた。
わたしはどう見ても「焼物」派の端くれに違いなかろう。
厚化粧を所構わずふんだんに塗りたくるのが良いのか必要最小限に止めるべきなのかその判断は非常に難しい。
余りにもけばけばしい入れ墨はよろしくはないと自分をたしなめ控えめに抑えました。
先ずは素焼きで出来具合を確認し、「織部」をしっかり滲ませて本焼きに備えることに致しましょう。