此の連休に孫たちが挙ってやってきた。
侘び住まいの閑居がいきなり蜂の巣を突いたように賑やいだ。
玄関先には我が作品が一堂に会してあたかも個展会場のようだ。
みんな珍しいのでわれ先に手に取って持て囃されてしまいはしないかと気が気でなかった。
ところが、どうした事か誰しも振り向きもしない。
眼中に入らないらしく完璧に無視された格好なのだ。
些か気落ちしがっかりしょげ返るしかない。
黄金色に輝く兜にも気付く者なく況してやくすんだ色合いのコツガメになんてダメに決まっている。
他人の目に入り人様の注意を引付けるに足る魅力も魔力も持ち合わすことのない凡作を物の見事に証明したことになる。
食卓に並んだわたしが焼いた三枚の小皿にも息子や嫁たちからも何のお声もなかった。
まあ、仕様がないわい。
これに懲りずに創るしかない。
あっ、そうだ。
帰り際にでも、欲しいのがあれば一人一個限りお持ち帰りくださいと宣言する事にでもしよう。