老いのひとこと

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白山市内の旧鳥越村地内に三ツ屋野という小さな集落がある。


例の鶏小屋の御主人ことやっさんが鳥越に美味しいそば処があるので案内いたしましょうと此の三ツ屋野まで連れて来て下さった。


平日の昼下がりゆえ人一人っ子見当たらない、猫や犬とていない静かで閑寂とした佇まい。


八幡社という村社で寛ぎ遅咲きのカタクリの花を愛でていたら人気無き集落に見えたが気配を嗅ぎ付けて一人の老紳士が話の輪に加わった来られたではありませんか。


余程退屈だったのでしょう、人恋しさに紛れ込んで来られたのでしょうか。


その老紳士は語る、此処三ツ屋野は手取川河岸段丘に位置する関係で取水が難しく米作りは明治の末年まで出来なかったという。


また、水が得難いので幾度も大火に襲われ集落が全焼したのだという。


さらに話は奇怪さを帯びる。


此の村社の拝殿の真後ろに百万貫の巨岩に勝るとも劣らぬ巨大なる大岩があって夜ごと不気味に軋むように鳴動するのだという。


白山大爆発の予兆ではあるまいかと火山予知の専門家に地震計を設置して貰ったのだというのです。


その巨岩には亀裂が生じ当に陰石の様相を呈するに至ったという。


陰陽石に纏わる大らかにして素朴なる古代人の性への関わりが其処にはあったのです。


此処三ツ屋野の秋祭りは「にわか祭り」と称して奇祭の中でも上位にランクさられるのだと自慢されていた。


「にわか工房」というそば処で三ツ屋野名物の美味しい御蕎麦を賞味してきました。