手塩にかける我が菜園での初物が生った、もう少し太ってからにしようと暫し待つことにした。
その心境足りや育ててみて初めて分かる。
正直のところ採るのが勿体ないし可哀想なのだ。
大袈裟ながらよくぞ子宝に恵まれた、これぞ天佑神助に他ならず年甲斐もなくにっこり致す有り様。
兎に角ことごとく、手を施した労苦が報われることなく何時も無情にも見放されることばかりの老生には如何に些細な出来事であれ今日はにっこり笑えてよかった。
もう一つ、どうしたことか元気なく萎れ弱りゆく剣崎ナンバと千両ナスのうちナンバの苗が甦ってくれた。
八十路にて
お目に掛かれし
初なすび