老いのひとこと

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随分永らえたコスモスの花も散って行った。
額新保地内の高橋川沿いにちょっとしたコスモス街道が毎年出現するのです。
初夏のころより此の晩秋まで咲きみだれ目にするわたしたちの気持ちを和ませてくれたのです。
いつもの自転車で通りかかればご近所の世話役の方々が数人後片付けに精を出されている。
美しい花々の残滓をさらすは忍びがたいと
跡を濁さないように整地なされる。
此れまさに紛れもなく武道における残心に外ならず日本人の心の奥深さを垣間見たのです。
お仕事の邪魔にならぬようにそっと声を掛けました。
「通りすがりの者だけどほんの少しだけタネを分けて戴けませんか」と申せば案の定予期した通り快く笑顔で対応して下されました。
わざわざ家から小さな紙袋まで持ち出して「どうぞどうぞ此の子たちを可愛がってください」と熟した種子を手渡していただきました。
来春を待たずに今蒔いても一向に構いませんよと教わりました。
早速背戸の隅に散りばめ残りは城谷川の岸辺に蒔いてみた。
来年への小さな望みに夢を託しました。