いびつな姿かたちのうらなりさん、なりも小さくみすぼらしい。
でも「食べてやらぬも不憫か」と家内は云う。
「余程あじきなければスープにすれば好かろう」と家内は包丁を入れたと云う。
ところが魂消たことに我が家の包丁の刃が立たぬではないか。
家内はまた云う、「こんな根株のようなものどうして喰えようか」「見たこともない」とわたしに語る。
でも此れこそ食わず嫌いになろうかとお鍋の中でふつふつぶつぶつ煮立ててみればふっくらふくよか器量の好い栗より美味い南京瓜に煮上がったではないか。
薩摩芋の比ではない此の密度の高い実の締まった歯応え十分なほくほく感は此の歳になるまで未だ嘗て味わったことがない。
まさに絶品である。