此れ路傍の花です。
歩道脇のコンクリートの隙間に自生する名の知れぬ植物が見事に育って今絢爛豪華な花を咲かせる。
引っこ抜かれて然るべき踏み付けられて当たり前の名も知れぬ此の植物は今を盛りに堂々と生きている。
其の生命力を湛えたい、其の生きる気力にあやかりたい。
せめて名前だけでもと図鑑を紐解く。
どうも「毛蕋花」らしい。
モウズイカと呼ぶらしい。
欧州からの帰化植物らしい。
ゴマノハグサ科の植物で毛が雄蕋に生えている花だと云う。
蕋は蕊または蘂とも表し雄しべ雌しべの蕋になる。
葉っぱの上に棒状の花房が数本林立し身の丈1メートルに及ばんとする巨大なる雑草である。
雑草と呼ぶには勿体ない。
いや雑草と云う名の植物はないのでした。
「毛蕋花( もうずいか)」という立派な名があるのでした。
われ暫し佇み此の花をいつくしむ。