老いのひとこと

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母校野田中学校の創立七十周年を記念する行事の案内状が届いた。


1949年(昭和24年)創立から確かに70年経ったことになる。


旧陸軍の騎兵隊の兵舎を急造した教室で何を学んだかはよく憶えてはいないが只一つだけ鮮明に脳裏に残ることが在る。


炎天下の下運動場に整列したわれらの前で初代校長竹沢喜太郎先生から熱っぽくひまわり健児の魂を叩き込まれた記憶が残る。


 


 


あの太陽に面と向かい合って


大きく明るく逞しく


雄々しく伸びやかに


咲き誇る向日葵のように


君たちも生きてほしい。


 


戦争のない平和な日本の国を


みんなで力を合わせて創りあげて行ってほしい。


 


頬のこけた古武士然とした風貌


国防色した国民服を身に纏い


眼の窪んだ鋭き眼光


でもその奥まった眼球には俰かな穏やかな優しい温かみを湛えた竹沢先生の鮮烈なる印象があの当時のまま


脳裏に焼き付く。


 


道ばたでひまわりに出逢う度には必ずと云ってくらいにあの炎天下で竹沢先生の訓話を聞いた夏の日の事を思い出す。


もうあれから70年の歳月が流れてしまいました。