老いのひとこと

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城谷川のコンクリート製の護岸壁にへばり付くように一本の白い百合の花が生きている。


一輪だけ寂しげに生きている。


百合の里として相応しくない極めて窮屈な箇所にあなたは自分の住処を定めたものだ。


でも其の確かなる生命力にわれ目を見張り驚嘆する。


あなたの生命力にわれあやかりたい。


あなたの命が生き永らえ来るべき次の年にもあなたのその清楚な姿を此の目で確認させて戴きたい。


命つづく限り、此の辺鄙な箇所でこれからも末永くお目に掛れることをこいねがう。