老いのひとこと

農作業雑記

其の一

一人前どころか半人前と云うよりド素人に過ぎなかろう、結局何も知らなかったではないか。

透明ビニールを張って冬越しした法蓮草の成長を願って見守る内にあれよあれよという間に大きく成長しあっという間に薹が立ち上がってしまったのだ。

慌てて引っこ抜き根元の茎を見ればもう既に木質化寸前のカチカチだ。

其れでも一応は収穫し家へ持ち帰れば家内は綺麗さっぱりと茎の大半を廃棄する始末、確かにスパーに並ぶのとは余りにも異質すぎたのだろう。

ケチンボな倹約主義者には此の様は見るに忍び難いと自ら厨房に立つことを決意する。

歯が立ちそうにない茎の部分を細かく裁断しフライパンに油を敷き塩コショウで味付けしチリメンジャコをまぶして見れば中々活けるではないか。

廃物利用に味を占めた次第だ、折角の化け物ホウレンソウも活かされ如何にも満足気ではないか。

朝めしのお供に打って付けではないか。