老いのひとこと

農作業雑記

其の一

畑の雑草が気になって仕方がない。

或る日お隣の旦那さんに見苦しい草ぼうぼうを放ったらかしにして誠に済みませんと頭を下げれば“ジッ様、気にせんでいいですよ”と笑い飛ばされたので一先ずホッとした。 

数日後、それでも放っては置けまいと腹に決意を込めてカボチャの始末をした。

貧相な軽量級の実を六つ収穫した。

二つを半腐乱状態で発見したが後の祭りだ。

ツルの後始末をしてさあ腹に決めた草刈り作業をと気を奮い立たせるのだが老躯が悲鳴だ。

長靴を履く両足が突っ張り軽い目眩が襲い来る、拙いことに息苦しさにハッと気付いた。

逃げるが勝ちだ、逃げるしかない、這う這うの体で逃げ帰った。

天上からは残暑の燃え盛る日射しが遠慮会釈なく刺しそそぐ。