老いのひとこと

嘗ては此の藤棚の下で隼人くんや嶋田先生・森先生と談笑し合った思い出を思い起こしながら藤花を見上げる。

今年も藤色の彩りで春爛漫を告げる、カメラに納め好い気になって暫し佇めば、縄張り侵犯を嗅ぎつけた蜂たちが頭上を旋廻する。

見ればクマンバチだ、不気味な羽音で盛んに威嚇するが白頭巾と察知して遠ざかり花の蜜の中へおとなしく身を潜めたようだ。

どれどれ記念撮影だとレンズを向けるが一時もじっとしては呉れない、忙しなく花から花へと身をかわす。

 

シャッタチャンスを戴けないまま諦めることにした。

 

早起きは三文の徳、ラジオ体操は三文の得。