老いのひとこと

神戸のけいたが連休帰省に合わせて大阪のまさたかが父親の車で金沢にやって来た。

生憎、此度はかお・なおの双子ちゃんたちは部活で大忙しでお母さんとお留守番、るいが便乗してやって来た。

早速、向かいの小学校のグランドで親子してキャッチボールに興ずる、翌朝には早起きして散歩に出かけたり仲睦ましい限りだ。

 

墓参りで異変が生じたではないか、前日の芽掻きが禍してか足元がおぼつか無い異様にふら付く。

山頂の自前の墓へたどり着けない足が動かない怯えて立ち竦むばかりだ。

孫たちが手を引いてくれた息子が腰を支えて呉れたお蔭で辛うじてお墓参りを終えた。

愈々来るべき時がやって来た、墓参にお参りにくるのではなく子や孫たちよりお参りに来られる立場に入れ替わる時期がとうとうやって来て仕舞いました。

 

翌こどもの日・孫の日には夕刻よりけいたが親共々連れ立って顔を出す、愛猫〝福〟ちゃんもご同伴だ。

次男も仕事の合間を縫って愛犬〝ロコ〟くんも連れ立ってお出ましだ。

 

けいたとまさたかとが再会できた。

 

孫たち三人と息子たち三人が賑々しく相集いばあば兼お袋さんの手料理にみな舌鼓を打つ、結構なことではないか。

ゆみさんからも煮干しの味が染み込んだ蓮根・牛蒡・里芋・蒟蒻らの煮付が差し入れられ彩りを添えて貰いました。

 

 

偉そうに座卓の上座に身を置けるのもそう長くはなかろう、況してや家内も好い歳だ手料理でみなを賄い切れるのもそう長くはあるまいぞ。

一世一代の我が家の伝統行事も今まさに潰え去らんと致さんぞ。

酒量が激減する、差ほど旨くはない酔うほどには至らず、随分と歳を執ったものだ。

 

翌朝には息子たちは早起きして大阪へ旅立った、意外と名神が通々で9時過ぎは自宅に着いたという。

 

慌ただしい二日間のもてなしを終え老妻共々ほっと胸なで下ろす。