老いのひとこと

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正月早々墓参りとは縁起でもないとつい思ってしまう。


そんなわたしであったがそれは浅はかな思慮に過ぎぬことを今ようやく知り得た。


今年の初詣では墓詣でと相成った。


ご先祖に深い想いを致すご先祖を身近に引き寄せ敬虔な祈りを捧げる。


ごくごく在り来たりな素朴な私的神道に今ようやく気付いたと云ってもいい。


 


雪を承知で孫たちをわたしの寿陵へ導き案内した。


処が思いの外雪が深いので女たちは無理と車中に残し徒歩で参れば案の定立ち往生した乗用車が一台喘いでいる。


今や立派な中学生に成長した孫と息子の三人で救出作業に精を出した。


辛うじて脱出できた車は何度も何度も礼を口にし立ち去っていた。


人として当たり前の行いながら人助けは悪くはない。


孫は身体だけではなく心情的にも大きく成長した姿を目の当たりにし嬉しく思った。


じいじの此の墓にマサも一緒に入ってくれるかなと無造作に尋ねてみたが何ら何の返答もなかった。


また何時の日にか考えて呉れることであろう。