2021-12-30 老いのひとこと 例年だと硯に墨をすり筆を持ち出して賀状をしたためる慣わしを二十年以上つづけたがもう止めることにした。 古い知人との交誼を温め合うこと自体は大いに結構だが何分印刷屋さんの手に掛かる色刷りの賀状ならば味もそっけもない興ざめだ。 何ら意味を成さない虚礼そのものではあるまいか。 勿論中には情感溢れる趣深い秀作にも出逢うが此の際何もかも含めた全てを斬り捨てることにした。 ただ血を分けた身寄りの者たちにはペン書きにして10枚ほど投函した。 28日の午前中なら滑り込みセーフらしい。 1キロ先のポストまで雪道を徒歩で参ったが疲労困憊の呈で重い足を引き摺る。 遠慮会釈なく疾走する車に雪雫を浴びせられた。 それでも中には老人のお通りを待機して呉れる良識派も何台かいた。 勿論、車種の大小には関係はなさそうであった。 其のドライバーの当たり前のお気持ちがとても温かく伝わってくる。