老いのひとこと

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初参りには白山さんの左義長の火柱で身を清め、旧盆にはご先祖の御霊に供養を捧げて年の暮れには筆を執り賀状をしたためる。

此れがつたない老生の年中行事になる。

虚礼は省略した方が良かろうと胸中の隅っこにうずうず致すがどうしたことか来る年も来る年も慣わしに追従いたすのです。

机に座っては字は書けない、やはり座卓が良い。

あぐらでは話にならない、やはり正座でなくては字は書けません。

尤も書き記すのは宛先先方様の住所とお名前だけだが老輩の意中の片鱗でも先方へ届けんと誠を尽くしたいのです。

徒労に過ぎない事を百も承知しながら変なことに拘りつづける酔狂人なのである。