老いのひとこと

木蔭が恋しくなるくらい好いお天気だ、カエデ並木の下をくぐり抜ければ何かしら獲物を見い出す、そんな潜在意識が沁みついた。

虎視眈々と獲物を探す習性が身に着いたようだ、超願寺幼稚園の駐輪場に電動自転車に跨る御婦人あり、よく見れば四つ輪ではないか。

思わず声を懸ける、「免許証が要りますか」と尋ねれば車を降りて「無免許ですよ」「最高時速が5km」で「走行距離は20㎞」ですよ「充電時間は4時間」ですよ応えてくださった。

すかさず「お値段は」と聞けば40万円、リースも御座いますよ、お宅さんも如何ですかと笑顔を返された。

 

高橋川の川べりに出て、居るではないかカラスに駆逐されたと悲観したイワツバメたちが恰好良く飛翔する姿に胸撫で下ろす。

好かった好かったと気持ち落ち着く、馬替中橋の橋詰の額扇台保育園の園庭に今日も我が家の鯉のぼりが泳ぐではないか。

川向こうの防護柵に身を寄せ往時を懐かしみつつ又々レンズを向ける、欲張って被写体にはためく鯉とよぎるツバメを狙いを澄ますが徒労に終わった、スマホのレンズでは不可能であろう。