老いのひとこと

足掛け50年間、下手の横好きで竹刀を握った、矢張りどうしても左脚と左の肩を引いた半身の姿勢が正当ではなかった所為か背骨が曲がってしまった。

でも全く気にするほどでも無くむしろ剣道人の勲章であろうと軽く見過ごした。

だが此れが元で腰痛に連動し不自由さを囲って来たのは事実だろう。

今その剣道からも身を退く悲哀に身を曝すわけだがせめて正しい姿勢で人生を全う致したきものだと念じ矯正に励むことにした。

正座の時も胡坐をかく時も椅子に座るに際しても左肩を前へ出す、寝る時も意識的に左の肩を意識するようにする。

日課となった石踏み公園へ参るにしても兎に角左肩を意識し右足を退く感じで歩みを執る。

実にバカげている効果などある筈がないのに片意地を張る。

 

 

馬替上橋に差し掛かる、実に不思議だ何となく何時もの雰囲気とは異なる異変に無意識的に気付いた。

そうだイワツバメがいない、群れ飛び乱舞し川面に急降下するイワツバメたちが消え失せた。

欄干下の巣穴の卵や雛鳥たちが外敵カラスに襲われ既に撤退したのか。

昨日まで安泰だったばかりに厳しき自然の摂理に悲嘆する。

のろい足取りで馬替中橋に向かえばわたしの視界に飛来する二羽が入る、やがて三羽が数羽となるのを見届け安堵して帰路に就いた。

背筋を真っ直ぐに伸ばす姿勢は一朝一夕には参りそうにない、極めて厄介な矯正療法になりそうだ。

気休めでも好かろう左肩を前方に押し出すように頑張りましょう。

畳に寝そべりストレッチや鴨居にぶら下がり精を出しましょう。