老いのひとこと⑯

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        無断掲載

 

先日、妙典寺住職さんをお伺いした折に大変貴重な資料をお見せいただいた。

北春千代先生が編纂された小冊子(現地43回金沢仏像巡りー平成24年7月3日付)

の中に半山の墓ほか3基の津田家所縁の墓石が収録されていて市指定の文化財に匹敵する価値ある物件が消滅したとは返す返すも惜しいことをしたものだと溜め息を吐かれたのです。

歴博の北先生も恐らく嘆かれることだろう。

それ以上に此のわたくしは落胆に呉れ我が身の至らなさに長嘆を吐く。

何ゆえ津田家所縁の墓を現認し確と確かめなかったものか此れぞ一生の不覚と云うものなり。

先祖の霊に深く想いを致す真心を欠いた。宗教心の欠片もなかった。

沸心乏しき木偶の坊に過ぎなかった。

何んと云う愚か者であったことか。

返す返すも悔やまれる。

 

そんな意味からも唯一生き延びた半山の墓はわたしの生ある限り死守いたさねばなるまい。

そう誓う。