老いのひとこと

江戸時代は文化2年創業の草葉善兵衛商店より今回もまた大阪の息子は気を利かせて信楽並20kを仕入れて持ってきてくれた。

持つ手を竹刀から粘土に持ち換えた親爺の心中を慮って呉れて有り難いことだ。

 

けちけちせずに大胆にビアジョッキーに挑んだのだが余りにも大胆しすぎて飛んでもない弩でかいのに仕上がった。

それでもまあまあ中ジョッキの大程度で350ccの発泡酒を氷で割れば丁度ツルツル一杯ぐらいだろう。

 

輪積みで作る過程でだんだん間口が広まりまるで丼ぶり鉢、背筋をまっすぐに間口を狭める作業に大汗を掻く其処が又口には出せぬ醍醐味で楽しいのだ、堪らないのだ。

此方の意中が粘土という相方に伝わるのだ、素直に従って呉れるのだから不思議なのだ。

執拗に執念深くヘラで以って下から上へ掻き上げる内に満足度が60点に達し、其の辺で手を打ち妥協し得心し合格点を与えて終えた。

入念に取っ手を付けてハイ一丁出来上がりだ。