老いのひとこと

 

ちょっとした笑うに笑えぬ笑い話になる。

軽い脳梗塞に蝕まれ血液サラサラ剤クロビドゲレル錠が処方される。

コメや薬局に参れば薬剤師さんが何かしらわたしに問い掛ける。

よくよくお伺いすれば「垢(あか)がでませんか、(体を洗う際によくよく)垢が出ませんでしょうか」と尋ねて来る。

はてはてこれは困った、「最近は垢すりを用いたことがないので垢が出るとは気付きませんでした」と云い掛けようとした其の折に「あっ此の手首の痣(あざ)、此れですよ」

「此の痣はいつ頃でしょうか」と質してくるではないか。

耳がよく聞こえない事の悲哀です。

 

あっ此れはオメン・オ小手の痣です、薬の副作用とは関係は在りませんと含み笑いで応えるのでした。

 

薬剤師さんは此のお薬の副作用を気遣ってくださったでした。

 

帰路、どうしても笑いが止まらなかった。

よく垢が出るとはよく言ったものだ。